トロント・ブルージェイズの菊池選手が岩手県花巻市に建設する「King of the Hill」と名付けられた屋内スポーツ施設は、地域社会への貢献として注目を集めています。この施設は約1400平方メートルの鉄骨平屋建てで、高校生を含む地域の人々に開放され、野球練習の場として利用される予定です。菊池はこの施設の建設費を全額自己負担し、ブルペン、打撃レーン、ジム、そして最新の動作解析機器「トラックマン」を備え付ける計画を立てています。
菊池選手によると、このプロジェクトの発端はコロナ禍であり、限られた環境下でのトレーニングの必要性から着想を得たと述べています。日本では、一箇所で練習が完結できる施設が少なく、菊池自身も帰国時には複数の場所を移動しながらトレーニングを行っていた経験から、効率的なトレーニング環境の必要性を感じていました。
「King of the Hill」は四つのコンセプト、Physical(身体とスキルの向上)、Mind(習慣化)、Social(地域の憩いの場)、Cultural(MLBを身近に感じる場)を基に構成されます。特に注目すべきは、専門家によるデータサイエンスの活用や、バイオメカニクス、ストレングスコーチによる指導が可能な点です。また、中学生からのウェイトトレーニングなど、従来の常識に挑戦するアプローチも取り入れられています。
この施設は、単なるトレーニング場に留まらず、指導者や野球ファンが集まり、情報を交換する学びの場としての役割も果たします。さらに、MLBに関する展示を通して、メジャーリーガーに近づく夢を持つ子供たちにとっての刺激としたいとのこと。
菊池選手はこの施設を通じて岩手県民、特に花巻東の高校生にとっての支援を望んでいます。彼の言葉からは、地域の野球文化の発展に対する強いコミットメントと、友人や地域社会と深く結びつくことへの願いが感じられます。King of the Hillは、菊池選手の野球人生が体現された、地域社会にとっての貴重な資源となることを期待しています。