2024年8月、日本の野球界に新たな風を吹き込む個人参加型のリーグ戦「リーガ・サマーキャンプ」が北海道で開催されました。このキャンプは、全国から集まった52人の高校生が11日間の熱い日々を過ごし、試合や共同生活を通じて大きな成長を遂げました。主催した一般社団法人Japan Baseball Innovationの阪長友仁代表は、トーナメント制に依存する日本の高校野球に対して、新しい可能性を提供したいという強い思いを抱いています。
高校野球の代名詞ともいえる甲子園大会はトーナメント制であり、敗退した選手には次の機会がなく、青春の一瞬が終わってしまいます。しかし、リーガ・サマーキャンプでは、負けてもまた次の試合があるため、選手たちは失敗を糧に成長し続けることが可能です。阪長代表は、「一度の失敗で終わりではなく、次のチャンスがあることで選手が成長できる場を提供したい」という思いをキャンプに込めています。
キャンプ初日にはスポーツマンシップに関する講習が行われ、最終日にはその成果が現れる感動的なシーンも見られました。ある選手が試合でホームランを打った後、自ら他の選手にも試合に出る機会を与えるよう提案し、全員が試合に出る機会を得たのです。これは、競技を超えた仲間意識や相手への敬意を学ぶきっかけとなりました。
また、参加費用などの課題もありますが、阪長代表は「このキャンプがスポーツを通じた新たな価値観や友情、自己成長の場として広がってほしい」と願っています。サマーキャンプは、ただの競技会ではなく、仲間とともに学び成長する貴重な場として、次世代の高校生たちに新たな道を提供していく大きな可能性を感じさせます。
写真 Japan Baseball Innovation
参考元記事 Kaori Hamanaka（Parasapo Lab）